吉良知夏、増矢理花、女版香川を使い徐々に進む攻撃のなでしこJAPAN新オプション

ボールを前に進めるためには
いかに前を向いた選手にボールを渡すかが重要である
というかほとんどそれに尽きる
方法は２つ
１　ポストプレー　
前方にいる後ろを向いた選手にボールを預けて前向きの選手におとすプレー
　
得意パターン　大儀見にあてて阪口に落としサイドチェンジへ

２　スペースヘのランニング
サイドや裏の空いたスペースへ飛び出した選手にパスするプレー

得意パターン　宮間がボールを持ったら大儀見がポストを受けに来たのをおとりに川澄か大野がスペースに飛び出す

難しいが前を向いた選手に渡さなくても後ろを向いたの選手にボールを渡して
ボールを前に進める方法がある

３　間で受けてターン

後ろ向きの選手がターンして前を向くプレー


なでしこJAPANが今回から積極的にトライしているのが３で
それが出来る選手が吉良知夏、増矢理花である。
なでしこが３にトライしている理由は
なでしこ対策で引いて守備ブロックをつくりスペースを与えず
ボールの出処となるボランチを自由にさせないというやり方をするチームが増え
攻めあぐねる試合が多くなったからである。
中国戦がいい例だった。
FWはCBのプレスはほどほどに主にボランチのパスコースを消すことで
ハーフウェーラインから７対１１という状態でボランチのところは相手のボランチも潰しに来るので
こんな感じ



しかしどんな守備にも弱点はある

マークがはっきりしていてサイドや裏のスペースも開いていないので１と２を防ぎやすいが
３には無防備となる。
この試合の最大のチャンス増矢理花のミドルシュートは３から始まった

相手のロングボールを北原が競り勝ち阪口につながり
DFと中盤の間にいた増矢へ

増矢はターン一発でひらりとはさみに来た二人をかわす



ヨルダン戦の2点目も吉良知夏の３から始まった

相手は５４１　中国戦よりCBは北原があり持ち運び
DFと中盤の間にいた吉良へ


吉良はターンに成功
菅澤に裏を取られたくないのか
やられたことがあまりなかったからか
とりあえずDFラインは下がる
川澄が深い位置に侵入することに成功


吉良から川澄へ
菅澤は一度下がって相手の視野から消える
川澄はダイレクトで完璧なセンタリング

菅澤は後ろから飛び込んでヘッド
相手はマークを外されたうえ立ったままジャンプしてるので
高さでは勝負にならず体を当てることもできない
いくら人数がいてもなすすべがなかった。
ここまできれいに崩したのは
吉良がターンした時点で相手の守備組織が破綻してしまうからだ
中国戦の増矢のプレーも同様だ。

３のプレーがうまいのは若い世代の特徴

３のプレーがうまい代表的選手はメッシと香川真司である。
当然この二人のプレーを見て育った世代の選手はうまくなるのだ
なでしこのトライする世代融合は年齢だけではなく
若い世代ならではの才能や価値観をチームに還元できるかどうかが重要だと思う